前向きに生きるというポジティブさ
先週,競泳女子の池江璃花子選手が白血病を患っていることをTwitterで公表しました。
重い病気にも関わらず,その時の文章はとても前向きな内容でした。
このニュースを聞いた時,約一年前に私が心に決めたことを思い出しました。
私が心に決めたこと,それは「前向きに生きる」ということです。
約一年前,私は病院の整形外科病棟に入院していました。
その病院には腫瘍を専門とする整形外科医が在籍しています。
このブログは病気のブログではないので詳しくは書きませんが,整形外科が担当する腫瘍は骨軟部腫瘍と呼ばれ,骨腫瘍と軟部腫瘍に分けられます。
骨腫瘍とは骨にできる腫瘍,軟部腫瘍とは筋肉,脂肪,血管,神経などにできる腫瘍の総称です。
骨軟部腫瘍も良性と悪性がありますが,悪性は極端に患者数が少なく,希少がんに分類されます。
さて,入院中に見かけた患者さんにこのような方がいらっしゃいました。
片脚を太ももの付け根から切断した中学生くらいの男の子。
この子は頭髪がありませんでした。
おそらく化学療法,つまり抗がん剤の副作用で抜けてしまったのでしょう。
そして骨腫瘍か軟部腫瘍で脚を切断せざるを得なかったのでしょう。
まだまだ若く,人生のスタート地点からほんの少し過ぎたばかりで,とても気の毒に思いました。
しかし彼は,松葉杖を使って一所懸命廊下で歩く練習をしていました。
ゆっくり一歩,ゆっくり一歩,本当に頑張っていました。
がんの宣告と治療,私には想像がつきませんが,精神的にも肉体的にも辛かったことでしょう。
しかし彼はとても前向きでした。
私は読書をするためにデイルームに行きました。
そこには右腕を同じように治療した高校生くらいの男の子がいました。
彼は左手でペンを持ち辞書を引き熱心に勉強していました。
しばらくして仕事の合間に医師が彼に話しかけていましたが,嬉しそうな笑顔でおしゃべりをしていました。
受験生なのでしょうか,不自由ながらも熱心に勉強しており,彼もやはり前向きな少年でした。
前しか向いていない彼らを目にした時,後ろばかり見ている自分に気づきました。
そういえば子供の頃,「前に目がついている理由は,前に進むためなんだよ。」とドラえもんがのび太くんに言ってたな,ということを思い出しました。
辛いことがあっても前向きな気持ちで生きていれば,精神を強く保つことができ,周囲の人にも良い影響を与えることができるでしょう。
今回の池江璃花子選手のニュースを聞いて,「何が起きてもプラス思考!」と心に決めた約一年前の出来事を思い返し,再び心を新たにすることができました。